2024/12/31

初代Surface GoはすんなりKali linux化できる

 初代Surface GoをすんなりKali linux化できたという記録残し。

普段はWSL2上でKaliを動かしているのだけれど、ちょっとだけ不便で、別マシンにできないかなーと思ってテストした次第。継続利用するかどうかは未定だけれど、現在のところ不自由なし。

まとめ

  • 他のOS(Windows含め)が入っているときは、Surface消しゴムツールでデータクリアしてからインストールする必要あり。
  • Secure Bootは無効化しておく必要あり。
  • 純正タイプカバー、タッチパッド、タッチパネル、Wifiなど、デフォルトで認識するので、ほとんど困らない。

前準備

前のUbuntu化記事の「前準備」と全く同じでOK

hitmew.hatenablog.com

Kali linuxのインストールUSBを作成する

Get Kali | Kali Linux

上記公式サイトより、x86_64の通常のInstaller(isoファイル)を入手すればOK

前記事と同じく、RufusでUSBメモリに書き込み。設定も前回記事と同じにしたが、一部の方が「ISOモードでは失敗し、DDモードにしないとだめだった」と書いていたので、念の為DDモードで作成した。

なお、USBを焼く際、Kaliの各種アレなツールをWindows Defenderが脅威判定しまくって隔離されてしまうので、一時的にDefenderをOffにする必要がある。

SurfaceにKali linuxをインストールする

作成したインストールUSBメモリを挿して、Surfaceを起動。

インストールガイドが立ち上がってくるので、あとは案内に沿ってインストールするのみ。

タイプカバー(純正キーボード)がデフォルトで有効になっており、途中で日本語化もできるので、操作や選択で困る点は特になかった。

途中、「ath10k/pre-cal-pci-0000」のファームウェアが見つからない旨の警告がでるが、「No」で無視して進めてOK。無線LAN関連のドライバだが、入れなくても接続はできるので、特に影響ない。

必要なら、起動後に「firmware-atheros」というpkgを導入すれば良いらしい。

 

インストールが完了したら、USBメモリを抜いて、Surfaceを再起動する。

みんな大好きなドラゴンロゴが立ち上がってきて、インストール時に作成したユーザでログインできれば完了。

Upgradeする

使い始める前に、ちゃんとUpgradeをかけておくべし。

sudo apt update
sudo apt list --upgradable
sudo apt upgrade

Secure Bootは非対応なので注意

Kali linuxは、デフォルトではSecure Bootに対応しておらず、UEFIでSecure BootをONにしてしまうと、OSが起動してこなくなる。

もしONにしてしまっても、OFFにすれば起動するので心配なし。

Secure Bootへの対応は検証されている方がいて、物理環境で運用するならやっておきないなぁと思う次第。

io.cyberdefense.jp

その他細かな設定

純正タッチパッドは、デフォルトではタップが効かなかったりするが、「Setting」>「Mouse and Touchpad」から設定が可能。

また、検索等で日本語を入力したい場合は以下を参照。

blog.14nigo.net

最後に

Ubuntuと同じくらい手軽で驚いた。

初代Surface Goは、今後Win10のサポート終了で更に値崩れすると思うので、おもちゃとして遊ぶのにとても良いと思う。

2024/12/22

初代Surface GoをUbuntuマシンに再生

 初代Surface Goさん、苦しい時期に転職活動にフル活用したため、とても愛着があるのだけれど、メモリ4GBではWindows10でも動作がなかなか厳しく、またWindows11対応できないため来秋退役が確定。

このままお別れするのはあまりに悲しいので、Ubuntu化して延命することにした。

[:contents]

対象Surfaceのスペック

  • Surface Go (初代)
  • OS : Windows10
  • CPU : Pentium 4415Y
  • メモリ : 4GB
  • ストレージ : 64GB
  • タイプカバー(純正キーボード)あり

必要なもの

  • 他のPC (USBメモリを作る用)
  • USBメモリ1本 (16GBのものを使用したが、もっと小さくても大丈夫そう)
    • 初代Surface GoはUSB C1ポートのみなので、USBメモリもType Cである必要がある。Type A→C変換アダプタでもOK。

所要時間

  • 他作業をしながらだらだらやって4時間くらい

前準備

SurfaceのUEFIの設定を変える

SurfaceのUEFIを開いて、設定2点を変更する。

 

UEFIの開き方

設定から回復オプションを開く → 「今すぐ再起動」をクリック → オプションの選択画面が開くので、「UEFIファームウェアの設定」を選択

 

1) UEFIからセキュアブートをOFFにする

UEFI画面の、Security > Secure Boot をDisabledに変更

※Secure BootをOFFにしないとUSBメモリからの起動が失敗する場合があるようです

 

2) 起動ドライブをUSBを1番めにする

UEFI画面の、Boot Configurationを開き、「USB Storage」を1番上に上げる

Exitを選択するとWindowsが起動する。その後普通にシャットダウンする。

Surfaceのデータを削除する

念のためSurfaceをきれいにしておく。他PCでMicrosoft Surface データ消しゴム (レガシ)のUSBを作って、Surfaceのデータを削除する。

 

1) 他PCでMicrosoft Surface データ消しゴム (レガシ) をダウンロードする

※このツールは「レガシ」と通常版とがありますが、Surface Go (初代)は「レガシ」にのみ対応しているため、必ず「レガシ」を使用する必要があります。

learn.microsoft.com

 

2) 上記ツールを他PCにインストールする

ポチポチするだけ。

 

3) USBメモリを挿してフォーマットする

念の為フォーマットしてきれいにしておく。

 

4) ツールを起動し、USBメモリに書き込みをする

Microsoft Data Eraserという名前でインストールされているので、起動する。

「Build」をクリックし、Architectureは「x64」を選択して進める。

画面をそのまま進めると、USBメモリに削除ツールを書き込んでくれる。

 

5) SurfaceにUSBメモリを挿して起動する

USBメモリから削除ツールが起動し、データの削除が行われる。

プロンプトが起動し、本当に削除するか聞かれるので、すべてAccept/Y/Yesして進める。

データ消去が完了したら、Surfaceをシャットダウンする。USBメモリを抜く。

UbuntuのインストールUSBを作成する

Ubuntuの起動USBを作成する。

1) USBメモリをフォーマットする

 

2) Ubuntuのイメージ(isoファイル)をダウンロードする

特にこだわりなければLTS版で。そこそこ時間がかかる。

今回は、最新のバージョンで 24.04.1 LTS を使用している。

https://ubuntu.com/download/desktop

 

3) USBメモリへの書き込みツールを用意する

ここではRufusの最新のバージョン4.6を使用している。

Rufus - 起動可能なUSBドライブを簡単に作成できます

 

4) USBメモリへの書き込みを行う

ダウンロードしたRufusのexeを起動。

デバイスには対象のUSBメモリを、ブートの種類は「選択」をクリックして、Ubuntuのisoファイルを選択。パーティション構成は「GPT」、ターゲットシステムは「UEFI(CSM無効)」を選択してスタート。モードを聞かれたら「ISOモード」で。

書き込みには時間がかかる。自分の環境では30分くらいだった。

SurfaceにUbuntuをインストールする

作成したインストールUSBメモリを挿して、Surfaceを起動。

インストールガイドが立ち上がってくるので、あとは案内に沿ってインストールするのみ。

親切なことに、タイプカバー(純正キーボード)はデフォルトで有効になっている。

なお、インストール中にInternal Errorが3~4回発生するが、気にせずそのまま進めて良い。

 

インストールが完了したら、USBメモリを抜いて、Surfaceを再起動する。

Ubuntuが立ち上がってきて、ユーザログインできれば完了。

Upgradeする

使い始める前に、ちゃんとUpgradeをかけておくべし。

sudo apt update
sudo apt list --upgradable
sudo apt upgrade

UEFIの設定を元に戻す

以下でUEFIを起動できる。

sudo systemctl reboot --firmware-setup

Secure BootをEnableにし、起動ドライブを適宜変えるなどする。

感想

何もしなくても、タイプカバーのキーボードもタッチパネルも、また画面タッチも効くことに驚き。

必要ソフトをいくつか入れたらだいたい事済んじゃう。最近のLinuxデスクトップはすごいなぁ。

2024/12/21

2024年に買ってよかったもの

お題「買ってよかった2024」

第1位 : ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM5

高かった…! 高かったが間違いなく今年の買ってよかったNo.1。

ノイキャン性能が圧倒的で、外出時につけているだけでかなり静かになる。ほぼ耳栓として使っている状態。

ノイキャンもワイヤレスも初だったので効果は半信半疑で、最初はレンティオでレンタルしたのだけれど、手放せなくなってそのまま購入。

聴覚過敏気味で通勤やオフィスがつらかったのが相当楽になったし、副次効果として、これで英語学習をやるようになったらヒアリングが急にできるようになった。

第2位 : 英語ガチ勢エンジニアになる方法 : 熊本技人舎さん

ご自身の英語学習の経歴や、学習の考え方について、とにかく率直・誠実・詳細に書かれた同人誌。感動した。今年読んだ本の中で一番感銘を受けて、そんなつもりなかったのに真面目に英語学習を始めてしまった。

もし商業本だったら、きっといろいろな配慮があって表現が変わってしまうだろうなぁという内容も多くて、同人誌であること自体にとても価値がある1冊。

文章構造も美しいし、筆者の誠実さが聖人レベルなので、英語に興味がない人であっても強くおすすめ。

これを読んだあと真面目に取り組んで、3ヶ月ほどでTOEIC600点台→860点になり、読み書きにはさほど苦労しなくなって、本業の学習範囲がぐんと広がったし、ものすごく感謝している。なお現在はスピーキング訓練に移行中。

techbookfest.org

第3位 : 7日間でハッキングをはじめる本 : 野溝のみぞうさん

これも今年人生が変わった一冊。これまでのCTF本でいちばん易しくて、すべての人に開かれた入口になっている。これ自体はさっとできてしまう内容なのだけれど、その先に繋がる情報が多くて助かった。

今年著者ご本人に会えて、直接お話できたのがとても嬉しかったし、コミュニティと出会えたきっかけでもあって、本当に感謝している。

第4位 : Google Pixel 8a

Zenfone9 から乗り換え。Zenfone9でカメラとFelicaのフリーズが多発し、3回修理に出すも全く直らないため、ASUSへの愛想が尽きてしまった。

Pixelは動作が安定していて、また通話スクリーニング機能が便利でとても良い。eSIM対応なのも便利。最初からPixelにしておけばよかった…。

 

第5位 : ワイヤレス充電器

スマホとイヤホンがワイヤレス充電対応になったので、安いものを買ってみたらまぁ便利。充電は遅いけれど、置くだけってのはすごい。

あと、社用携帯がLightningなのだけれど、これのおかげでLightningケーブルとほぼお別れできた。

第6位 : 電源キューブ

机の上に電源タップをおいていたのだけれど、劣化気味な上見た目が良くないため、思い切ってリプレイス。流行りのタワー型を検討したけれど、これで十分だった。

机の上がスッキリするし、USBが4口あるのが便利。

第7位 : ミニ掃除機

デスク周りがごちゃごちゃしているので、ハンディモップ(ウェーブ)ではいまいち掃除しきれている気がせず購入。あまり期待していなかったけれどこれは便利。

想像よりパワーがあるし、ごみ捨ても簡単。手元に置いておいて、気になったときにさっと掃除できるのがとても良い。

第8位 : あすけん

夏のセールのときに有償版に入って利用中。最初1ヶ月は心が折れそうになったけれど、おかげさまで食生活が改善できた。健康大事。

www.asken.jp

第9位 : 4Kモニタ

ついに買った。やはり画面が広いのは正義。ながら作業がはかどる。

本当はウルトラワイドモニタを検討していたのだけれど、狭いデスクには載らなかったため4Kに。これはこれで悪くない。

第10位 : Speak (AI英会話アプリ)

これもセール時に加入。コミュ障すぎてオンライン英会話がはかどらないためとても助かっている。会話を何度でもやり直せるし、相手がAIなのは本当に気が楽。

聞き取ってくれる精度も悪くない。ちょっと甘いくらいだと思う。

www.speak.com

振り返って

ガジェット系と英語ばっかりだなぁ。

しかしながら、生活が変わるような出会いも多く、充実した1年だったと思う。

2024/12/14

POV-RayをVSCodeで書きたい

 POV-Rayを触ってみたものの、POV-Ray Editorが使いづらいから、Visual Studio Codeで編集したいよ、というお話。

環境

  • Windows11
  • POV-Ray 3.7
  • Visual Studio Code 1.96

設定

VSCodeの拡張機能を「POV-Ray」で検索してインストール。

POV-RayとPOV-Ray2があるけれど、2のほうが新しいようなので2を使います。

インストールしたら、設定アイコン→Settingsを開く。

必須設定なのはおそらくこのへん。

Default Height/Width

自分は384/512にしているがお好みで。

注意点として、POV-Ray側の表示はWidth/Heightの順になっていて、この画面は逆順なので入力時間違えがち。変な縮尺で画像が出てきたらここが原因。

Library Path

includeファイルがあるフォルダの場所を指定する。デフォルトだと以下になるかと思う。

C:\Users\$ユーザ名$\Documents\POV-Ray\v3.7\include
Pvengine Path

Pvengineのexeファイルの場所を指定する。デフォルトだと以下になるかと思う。

C:\Program Files\POV-Ray\v3.7\bin\pvengine64.exe

以上で初期設定は終了。

実行(レンダリング)

.povファイルを書いたら、以下いずれかの方法で画像出力できる。

  • Ctrl+Shift+P → POV-Ray: Render Scene
  • エディタ画面右上のPOV-Rayアイコン?をクリック

正常に出力されると、右ウィンドウに画像が表示される。

注意点

VSCodeからレンダリング実行すると、コードにエラーがあった際にエラーが表示されない。実行も特に問題なく終了するが、画像が生成or更新されない。

あれーなんでか反映されないなーと思ったらたいていコードのミスなので、POV-Ray Editorのほうで実行してみるべし。黄色行で間違い箇所が指摘される。